「幻想水滸伝Ⅱ」は、休戦協定を結んでいる都市同盟軍の裏切りに見せかけて、王国の皇子であるルカが王国軍の少年兵たちを壊滅させ戦乱を引き起こしたことで、主人公たちが戦いに巻き込まれていきます。
その凶行が物語の始まりである、「幻想水滸伝Ⅱ」の悪役、“狂皇子”ルカ・ブライトについて語っていきます。
こんなに“悪”という言葉が似合う敵も中々いないんじゃないでしょうか。
※少しネタバレを含みます。
衝撃の凶行
物語の序盤から、無抵抗の村を容赦なく襲っていきます。
何でもしますと命乞いをする女性に、ルカは『ブタのマネをしろ』と言います。
言われるまま地面に四つん這いになり「ブー・・・ブー・・・」と鳴き真似をする女性をひとしきり笑った後に放った一言。

えぇっ・・・(リアルにプレイしてて声に出てました)
恐ろしさのあまり、人としてのプライドも捨ててまでやっただろうに、
『ブタは死ね!!!』!?
そして当たり前のように斬り捨てたんです。
いやもう、衝撃!
こんな強烈なセリフに出会うの中々ないです。
ルカが放つセリフって直球だからなのか全体的に言葉が強い印象です。
それでもってなんか、言いたくなる・・・
「ブタは死ね・・・」
決して日常では出会いたくないセリフですね・・・。
“狂皇子”となった理由
ゲーム本編では詳しく語られてはいませんが、ルカは幼い頃母親と共に都市同盟軍に捕まり、母親はルカの目の前で辱めを受けたそうです。

その出来事がトラウマとなり、都市同盟の人間と助けてくれなかった父王アガレスを深く恨んでいます。
それがルカの根幹にあり、全てを滅ぼそうとする凶行へと繋がっているのでしょうか。
彼は自分の行なっていることを何度か、汚れを浄化する、清めるという表現をしていたのが気になってたんです。
幼かったルカの目には都市同盟の人間が何よりも汚れた存在に見えたんでしょうか・・・。
彼の望みは王国の勝利ではなく、都市同盟の全市民の命を奪うこと。
膨れ上がった憎悪と恨みが、やがて誰もが恐れる“狂皇子”にしてしまったのかもしれません。
貫き通した“悪”

『俺は!!!俺が想うまま、俺が望むまま!!!!邪悪であったぞ!!!!!!!!』
これめちゃくちゃカッコいいと思いました!
今までプレイしたゲームの悪役の中でも、かなり好きなセリフです。
真っ直ぐに邪悪で、これだけ“悪”を貫かれると逆に清々しささえ感じます。
ただこの直前、ルカが蛍に気を取られるシーンがあるんですがプレイヤーとしては一瞬、ルカを倒すことに迷いがでたんです。
人としての心が微かにあるんじゃないか。
そう思ったところに味方の軍が攻撃を仕掛けるんですが、こちらとしては“待った!”をかけたい気持ちでした。
そんなところに、最期のこのセリフ。
こっちはちょっとグラついたのに、お前は最後までちゃんと“悪”なのカッコ良すぎかよ。
さいごに
人を傷つけることに全くためらいがない。
回りくどくなく、真っ直ぐに悪。
序盤は疑いようもなく憎むべき対象のルカですが、“自分を貫き通す”という点については惹かれるものがあります。
敵でも味方でも、善悪の違いはあれど筋が通っているキャラって魅力的だし、物語をより面白くさせるなと改めて感じました。
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